乳児湿疹を少しでもよくしてあげたくて、私は毎日、息子の肌をきれいに洗っていました。
出産した産院で教わったように、汗や汚れを残さず、清潔にしてあげることが息子のためだと信じていたからです。
それなのに、赤みやジュクジュクは、なかなか落ち着きませんでした。
ちゃんと汚れを落としているのに、どうしてよくならないんだろう。
そんなとき、自分のアトピー経験を振り返って、ふと思いました。
もしかしたら、息子の肌にとっては、「きれいに洗うこと」そのものが負担になっているのかもしれない。
きれいに洗うことよりも、肌への刺激を減らし、肌がもつ力を大切にしたい。
そう考えた私は、石けんの使い方や顔の拭き方、お風呂の時間を一つずつ見直していきました。
この記事では、息子の肌の様子を見ながら、わが家で実際に行った入浴方法をご紹介します。
息子の乳児湿疹と、当時の入浴方法
清潔にすることが大切だと思っていた
乳児湿疹や乳児脂漏性湿疹についてネットで調べると、当時は「肌を清潔に保つこと」や「ガーゼでやさしく拭くこと」が大切だと書かれた情報を多く見かけました。
最初のうちは私も、「汚れをきちんと落としきれていないのかもしれない」と思っていました。
そのため、頭から足先まで全身に泡をしっかりつけて、毎日丁寧に洗っていました。
頬や耳のジュクジュクした部分から出た液(滲出液)が固まり、ほこりなどが付いていることもありました。
それも、肌を清潔にしてあげたい一心で、ガーゼを使って毎回きれいに拭き取っていました。
洗っても、またジュクジュクしてしまう肌
滲出液が固まっていたところは、きれいに洗っても、お風呂から出ると再びジュクジュクしていました。
まるで、やけどをしたかのような赤い皮膚で。

乳児湿疹が強く出ていた頃の息子の肌(当時の記録)
「こんなに丁寧に洗っているのに、どうしてよくならないんだろう」
いったい、いつまでこれを繰り返せばいいのか、不安になりました。
「洗うことも刺激になるのでは」と気づいたきっかけ
自分のアトピー経験が、立ち止まるきっかけになった
私自身、アトピーで肌に傷があるときは、シャワーやお風呂のお湯さえしみて、つらく感じることがありました。
石けんも、ものによっては洗浄力が強く、入浴後にかえって肌が乾燥したり、かゆみが強くなったりすることもありました。
そのため私は、脱ステロイド中に通っていた皮膚科で教えてもらった、いわゆる「タモリ式入浴法」という洗いすぎない入浴法を、アトピーの改善に取り組んでいた頃から続けていました。
息子のジュクジュクした肌を見ているうちに、自分が肌の痛みや刺激に悩んでいた頃のことを思い出しました。
そして、ふと思ったのです。
「もしかしたら息子も、お湯や石けん、ガーゼの刺激をつらく感じているのではないだろうか」
まだ言葉で伝えられないだけで、私と同じように、洗うことそのものを痛いと感じているのかもしれない。
自分のアトピー経験が、それまで当たり前のように続けていた息子の入浴方法に、立ち止まって目を向けるきっかけになりました。
目の前の息子の肌に合う方法を考えようと思った
子育ては、分からないことだらけです。
我が家は二人目でしたが、それでも戸惑うことはたくさんありました。
何が正解なのか分からないからこそ、産院で教わった方法や、ネットで目にした「赤ちゃんは毎日きれいに洗うもの」という言葉を信じていました。
でも、毎日全身を丁寧に洗っていても、息子の肌はお風呂上がりにゴワゴワしていました。
滲出液をきれいに拭き取っても、また出てきて、固まりかけていました。
「清潔にしてあげるためにしていることが、かえって息子の肌の負担になっているのかもしれない」
私自身、洗いすぎない入浴法に変えてから、肌の乾燥が少し楽になった経験があったため、洗うことを減らすことへの抵抗はそれほどありませんでした。
それでも、赤ちゃんの入浴方法を変えることに、迷いがまったくなかったわけではありません。
ただ、一般的によいとされている方法をそのまま続けるのではなく、その方法が目の前にいる息子の肌に合っているのかを考えてみたい。
そう思い、息子の肌の様子を見ながら、今までの洗い方を一つずつ見直してみることにしました。
きれいに洗うことより、肌の力を大切にしたかった
私がまず考えたのは、何かをたくさんしてあげることよりも、肌への刺激を減らしてあげることでした。
きれいに洗うことばかりを考えるのではなく、肌が本来もっているバリア機能をなるべく損なわないように、刺激を減らしながら、そっと見守ることも必要なのではないかと思ったのです。
「洗いすぎない」は、手を抜くことではありません。
息子の肌を見ながら、今できることを一生懸命考えた末に選んだ、肌をいたわるためのケアでした。
わが家で入浴方法を見直したこと
ここからは、息子の肌の様子を見ながら、わが家で実際に見直したことを書いていきます。
石けんは、汚れが気になる部分を中心に使った
息子は、頭・顔・肩・胸を中心に湿疹が出ていました。
それまでは、頭から足先まで、毎日全身を石けんで洗っていました。
入浴方法を見直してからは、石けんを使うのを、お股やお尻など、おむつの中を中心にしました。
お股やお尻は、どうしてもうんちなどの汚れが付くため、ここだけは毎日石けんで洗っていました。
当時のわが家では、それ以外の部分には基本的に石けんを使わず、息子の肌の様子を見ながら洗うようにしました。
顔をガーゼで拭くのをやめた
それまでは、朝の習慣として、毎日ガーゼで息子の顔を拭いていました。
毎朝顔を洗うような感覚で、清潔にしてあげるつもりで続けていたことでした。
ガーゼは肌にやさしいものだと思っていましたが、どれだけやさしく拭いても、摩擦そのものが刺激になっているのかもしれない。
そう考えて、ガーゼで顔を拭く習慣もやめました。
毎日続けてきたことをやめるのは少し不安でしたが、汚れを落とすことよりも、息子の肌に触れる回数や摩擦を減らしたいと思ったのです。
肌が強く荒れているときは、顔や頭を無理に濡らさない日もあった
症状が特に強かった頃は、耳がただれ、頭皮にも湿疹が出ていました。
お湯が触れることさえ刺激になるかもしれないと思い、肌がつらそうなときは、顔や頭を無理に濡らさない日もありました。
滲出液が乾いて顔がパリパリになっていても、こすって落としたり、無理に洗い流したりはしませんでした。
当時の私は、きれいに取り除こうとすることのほうが、息子の肌への負担になるのではないかと考えていたからです。
ただ、夏場は汗やにおいが気になることもありました。
必ず濡らさないと決めていたわけではなく、頭をお湯で流す日もあり、その日の肌の状態を見ながら決めていました。
シャワーと湯船のお湯は、以前から塩素除去していた
わが家では、息子の乳児湿疹が出る前から、シャワーには塩素除去ができるシャワーヘッドを使い、湯船のお湯も塩素除去していました。
これは、息子の乳児湿疹をきっかけに始めたものではありません。
私自身がアトピーで肌への刺激に悩んでいた頃から、少しでも肌に触れる刺激を減らしたいと思い、続けていたことでした。
そのため、息子の入浴方法を見直したときも、シャワーと湯船のお湯の塩素除去は、そのまま続けていました。
塩素除去だけで乳児湿疹がよくなったとは言い切れませんが、石けんや洗い方だけでなく、息子の肌に毎日触れるお湯にも、できる範囲で配慮していました。
お風呂の時間を必要最低限にした
私はもともと、体を温めることを大切にしているため、シャワーだけで済ませるよりも、湯船につかるほうが好きです。
ただ、息子の症状がつらいときは、体が温まりすぎてかゆくならないように、お風呂に長く入らないようにしていました。
入浴方法を見直すなかで意識したのは、「清潔にしすぎないこと」と「こすらないこと」でした。
石けんで洗いすぎない。
ガーゼで拭かない。
肌がつらそうなときは、無理に濡らさない。
そして、長く温めすぎない。
決まった方法に当てはめるのではなく、その日の息子の肌を見ながら、一つずつ調整していきました。
入浴方法を見直してから、感じた変化
以前は、お風呂から出ると、ジュクジュクしている部分の赤みが特に強く見えていました。
入浴方法を見直してからは、お風呂に入る前と比べても、肌の様子が大きく変わらないように感じました。
また、顔の滲出液が乾いて固まっているところも、無理に濡らしたり、こすって落としたりしなかったため、そのまま乾いた状態を保っていました。
これまでよりも、肌が落ち着く時間をつくれているように感じたのです。
劇的な変化ではありませんでしたが、1週間ほど続けた頃から、少しずつ肌が落ち着いていくように感じたため、このような入浴方法を続けることにしました。
私は平日はほとんどワンオペだったため、子どもたちをお風呂に入れることを、結構な重労働だと感じていました。
子どもたちはあまり入りたがらないし、二人を洗うのも大変です。
でも、入浴方法を変えてからは、お風呂の中ですることが少なくなり、以前よりずっと楽になりました。
入浴方法を見直したのと同じ時期に、食事や保湿も見直していたため、入浴方法だけで乳児湿疹がよくなったとは言い切れません。
けれど、息子の肌に合わせて刺激を減らしていったことは、わが家にとって大きな転換点の一つでした。
今振り返って思うこと
当時の私は、息子を少しでもよくしてあげたい一心で、毎日寝不足のなか、そのときの自分なりに必死で調べ、考えていました。
どうして乳児湿疹が出るのだろう。
今の息子の肌には、何が負担になっているのだろう。
そして、毎日の暮らしのなかで見直せることはないだろうか。
息子の乳児湿疹は、私自身が肌のことだけでなく、食事や暮らし、体のことを改めて考え、学ぶきっかけにもなりました。
分からないことを一つずつ知っていくことで、不安が少し小さくなり、目の前の息子に今できることを考えられるようになったと思います。
私は、病院や薬を否定したいわけではありません。
ただ、できることなら病院や薬だけに頼るのではなく、食事や暮らし、肌に触れるものを見直しながら、体が本来もっている力を大切にしたいと思っています。
息子の入浴方法を見直したことも、そのなかの一つでした。
今振り返ると、入浴方法にも、すべての赤ちゃんに当てはまる一つの正解があるわけではないと感じています。
わが家では、息子の肌の状態を見ながら、石けんを使う部分を減らしたり、肌が強く荒れているときは無理に濡らさないようにしたりと、それまで当たり前にしていた洗い方を一つずつ見直しました。
この方法は息子の肌には合っていて、私自身、やってよかったと感じています。
だからこそ、毎日の入浴に悩んでいる方に、「きれいに洗うこと」だけがケアではなく、肌の様子に合わせて洗い方を見直すという選択肢もあることを伝えたいと思い、この記事を書きました。
もちろん、同じ方法でも、その子の肌の状態や季節によって、合うときもあれば、合わないときもあると思います。
大切なのは、「毎日しっかり洗わなければ」と決めつけるのではなく、目の前の子どもの肌をよく見ながら、その子に合う洗い方を考えていくことなのだと思います。
そして、家庭でできることを大切にする一方で、いつもと違う変化を見逃さないことも大切だと感じています。
私自身、カポジ水痘様発疹を経験したことで、急な悪化や強い症状が見られたときには、家庭でのケアだけにこだわらず、そのときに必要な助けを借りることも大切だと学びました。
「ちゃんと洗わなきゃ」と頑張っているママへ
当時の私は、息子の肌を写真に残すことさえ、つらく感じていました。
どうしたらよくなるのか分からず、「もっときれいに洗わなきゃ」「私がちゃんとケアしなきゃ」と、必死になっていたのだと思います。
けれど、息子の肌と向き合うなかで、何かを足してあげることだけがケアではないと気づきました。
洗い方を見直すこと。
刺激になっているかもしれないものを、一つずつ減らしてみること。
その日の肌の様子を見ながら、そっと待つこと。
「洗いすぎない」は、手を抜くことではありません。
息子の肌を少しでもいたわりたいと思い、私なりに一生懸命考えて選んだケアでした。
わが子の肌がなかなかよくならないのは、ママの頑張りが足りないからではありません。
あの頃の私と同じように、毎日の入浴に悩み、「ちゃんとしなきゃ」と頑張っている方へ。
この記事が、少し肩の力を抜いて、目の前のわが子に合うケアを考えるきっかけになればうれしいです。
※この記事は、私自身のアトピー経験と、息子の乳児湿疹の体験をもとに書いています。赤ちゃんのお肌は一人ひとり違います。
不安なときや症状が強いときは、無理をせず、小児科や皮膚科に相談しながら、その子に合ったケアを見つけてくださいね🌿

