私は、甘いものが好きです。
それでも、アトピーを改善したくて、甘いものをほとんど食べなかった時期があります。
当時通っていたアトピー改善施設では、玄米菜食を取り入れ、甘いものは玄米甘酒だけという生活を送っていました。
甘いものを食べるとアトピーが悪化すると思っていたため、できる限り食べないようにしていたのです。
甘いものをやめることは、できました。
けれど、食事を制限すればするほど、「これは食べてはいけない」「あれも我慢しなければ」と考えることが増え、私の心には少しずつストレスがたまっていきました。
身体のために頑張っているはずなのに、心がすり減り、毎日の食事を楽しめなくなっていく。
その経験から私は、アトピーと向き合ううえで、ストレスをため込むことがいちばんよくないのではないかと思うようになりました。
だから、甘いものを完全にやめるのではなく、食べ方や選び方を少しずつ変えていくことにしました。
この記事では、甘いものを厳しく制限していた私が、その付き合い方をどのように見直し、無理なく続けられる形を探していったのかをお伝えします。
甘いものを我慢することがつらいと感じている方に、私の経験が何かのヒントになれば嬉しいです。
制限すればするほど、心がすり減っていった
アトピー改善施設に通っていた頃の私は、アトピーをよくしたいという一心で、玄米菜食を取り入れていました。
施設の方針に沿って、肉や魚、甘いもの、乳製品、小麦製品、さらには水の量まで、できる限り控えていました。
甘いものが欲しくなったときに口にしていたのは、玄米甘酒くらいでした。
「アトピーが早くよくなるためなら、我慢しよう」
そう思い、食事制限を続けていました。
けれど、食べるものを厳しく制限するほど、食事をするときにはいつも、
「これは食べても大丈夫かな」
「これを食べたら、またアトピーが悪化するかもしれない」
と考えるようになっていきました。
本当は食べたいと思っても、身体に悪そうだからやめておこう。
甘いものを目の前にしても、食べたあとの肌のことを考えて我慢する。
そんなことを繰り返すうちに、食事は楽しむものではなく、「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」を判断する時間になっていました。
食べることが、こんなにも気を張る時間になるとは思っていませんでした。
我慢を重ねるほど、心には余裕がなくなり、少しずつすり減っていくように感じました。
もちろん、当時の私にとって、食事を見直すこと自体は必要だったと思っています。
ただ、今振り返ると、何ごとも「いい加減が良い加減」。
身体のために始めたことでも、ストイックになりすぎて心が苦しくなってしまったら、私には無理なく続けていくことができませんでした。
この経験から私は、何を食べるかだけではなく、どんな気持ちで食べるかも大切なのではないかと思うようになりました。
そして、その不安をいちばん強く感じるようになったのが、外食の時間でした。
外食が怖くなっていた頃
余計なものを身体に入れたくない。
そう思うようになってから、私は外食の機会をできるだけ減らすようになりました。
自分で作れば、何が入っているのかがわかります。けれど、お店で出てくるものは、どんな材料が使われているのか、どんな油で調理されているのかがわかりません。
今振り返ると、友達がいなくなるんじゃないかと思うほど、友人からの誘いを断りまくっていました。
それでも外食する機会があると、メニューを見ながら、食べたいものではなく、食べられそうなものを選ぶようになっていました。
「これを食べたら、アトピーが悪化するかな」
「またかゆくなるのは嫌だな」
「おいしそうだけれど、身体には悪そう」
目の前においしそうな料理があるのに、少しも楽しめない。
一緒にいる人が笑っているのに、私だけが心から笑えていない。
そんな時間が続くうちに、外食そのものが、私にとってストレスになっていきました。
気づけば私は、自分でも「外食恐怖症」と呼びたくなるほど、外食が怖くなっていたのです。
本当は、昔から食べることが大好きでした。
おいしいものを食べる時間も、誰かと一緒に過ごす食事の時間も、私にとっては大切なもののはずでした。
それなのに、いつからか食事は、「楽しむもの」ではなく「気をつけるもの」になっていました。
アトピーをよくしたくて始めたことなのに、これでは何のために頑張っているのかわからない。
そう感じるようになった頃から、私は少しずつ考え方を変えていきました。
やめるのではなく、食べ方を変えることにした
甘いものを一気にやめようとすると、苦しくなる。そして、その反動もある。
それは、自分自身で経験したことでした。
私が目指していた、アトピーを繰り返しにくい身体づくりは、数か月で終わるものではないと考えていました。長いスパンで見たとき、我慢して心をすり減らしながら続ける方法では、どこかで限界がきて、途中で息切れしてしまう。
そう思うようになりました。
完璧にできる時期があっても、そのあと続けられなければ意味がない。それなら、少しゆるくても、ずっと続けられる形のほうがいい。
そこで私は、「0か100」で考えるのをやめました。
甘いものをやめるのではなく、食べ方を変えてみよう。
そう考え方を切り替えたのです。
もう一つ、気持ちが軽くなったきっかけがありました。
それまでの私は、「余計なものを入れないこと」ばかりを考えていました。
けれど、どんなに気をつけていても、避けきれないものはあります。
だとしたら、入れないことだけに必死になるより、きちんと出せる身体でいることのほうが大事なのかもしれない。
そう思えるようになってから、気持ちがずいぶん楽になりました。
頭でっかちだった考え方が軽くなり、食べてしまった、と落ち込む時間が減り、外食も怖くなくなっていきました。
もちろん、何を食べてもいいと考えたわけではありません。
ただ、「食べたら終わり」ではなく、「食べたらしっかり出す」。この考え方が、私には合っていたのだと思います。
ここでいう「出す」とは、食べたものを無理に排出するという意味ではありません。身体に本来備わっている働きを整える、という私なりの考え方です。
そこから私は、甘いものとの付き合い方を、少しずつ変えていきました。
私が続けた、甘いものとの付き合い方
甘いものをやめるのではなく、食べ方を変える。
そう決めてから、私が意識していたのは次の4つです。
強い空腹のまま、甘いものだけを食べない
まず変えたのが、食べるタイミングでした。
空腹のときに甘いものだけを食べるより、たんぱく質や脂質、食物繊維を含む食事と一緒にとるほうが、血糖値の上がり方が緩やかになると知ったからです。
お腹が空いているときほど、甘いものは魅力的に見えます。けれど、そこで空腹の勢いのまま食べてしまうと、身体にも負担がかかるのではないか。そう考えるようになりました。
だから、「甘いものを食べたい」と思ったときは、まず、いつ食べるかを考えるようにしました。
食べるなら、食後か3時のおやつに
そこで私が選んだのが、食後に少量いただくか、3時のおやつの時間に楽しむという方法です。
ごはんを食べたあとなら、身体への負担も少なくて済むように感じましたし、何より、少しの量で満足できました。
「食べてはいけない」ではなく、「あとで食べられる」。
そう思えるだけで、気持ちはずいぶん楽になりました。
だらだら食べるのをやめ、食べる時間を決めた
次に意識したのが、思いついたときに食べるのをやめ、食べる時間を決めることでした。
だらだらと食べ続けていると、身体が休まる時間がなくなってしまう。そう思うようになったからです。
食べるなら、食後か3時のおやつの時間に。それ以外は、食事と食事の間をしっかりあけて、胃腸を休ませる時間をつくりたいと思いました。
ただ、これは正直に言うと、最初はうまくいきませんでした。
口さみしくて、つい何かを探してしまう。我慢が続いたあとに、どか食いしてしまうこともありました。
それでも、甘いものを完全に食べてはいけないわけではありません。
食べたくなったら、時間や量を調節すればいい。そう考えるようにしました。
すると不思議なことに、甘いものへの執着が、少しずつ減っていったのです。
食べなくても大丈夫な日が、だんだん増えていきました。
我慢しようとするほど食べたくなり、「食べてもいい」と思えるほど欲しくなくなる。自分でも意外な変化でした。
精製された砂糖と小麦は、「普段は」控えた
そしてもう一つ意識していたのが、精製された砂糖や小麦粉を、普段の生活ではなるべく控えることでした。
パンは、ほとんど食べていませんでした。麺類も、月に1〜2回あるかないか。
ただ、完全にやめていたわけではなく、誰かと一緒のときは、気にせずいただいていました。
アトピーの症状がつらい時期は、いつもより意識する。落ち着いているときは、あまり気にしすぎない。
そのときの身体の状態に合わせて、加減を変えていました。
普段、どんなおやつを選んでいたか
まず私がしていたのは、市販のおやつを家に置かないことでした。
目に入ると、どうしても食べたくなってしまうからです。
その代わり、どうしても食べたくなったときは、そのとき作るようにしていました。作るのはひと手間かかりますが、そのぶん、本当に食べたいときだけ食べるようになりました。
買っておくものといえば、ロカボナッツくらいでした。小分けになっているので、食べすぎずに済むのも良かったです。
家にあるもので食べていたのは、果物や、さつまいもです。
なかでもよく食べていたのが、輪切りにして冷凍した焼き芋です。甘くてねっとり濃厚で、私にとってはアイスのような感覚でした。
果物やさつまいもにも、糖質は含まれています。
それでも、素材そのものの甘みを選ぶほうが、市販のお菓子を食べるより、今の自分には合っているのではないか。私はそう考えて、量に気をつけながら食べていました。
手作りおやつも、よく作っていました。ラカントを使ったおからきなこ蒸しパンなど、簡単に作れるものばかりです。
おやつのレシピは、糖尿病の方や、血糖値を気にされている方向けのものを参考にしていました。
2型糖尿病は、遺伝的な要因に加えて、食事や運動などの生活習慣も関係すると言われています。
アトピーも、毎日の食事や暮らしと深く関わっているのではないか——私はそう考えていたので、同じように身体をいたわる食べ方が、きっと参考になると思ったのです。
甘さも材料も自分で決められるので、安心して食べられたのも良かったです。
よく作っていたおやつのレシピも、いつかご紹介できたらと思っています。
人と食べるときは、楽しむと決めていた
外食が怖かった頃の私は、とにかく余計なものを身体に入れたくなくて、「これは食べても大丈夫か」「身体に悪くないか」、そんなことばかり考えていました。
けれど、どんなに食事に気をつけていても、アトピーは出るときには出ます。
大人のアトピーは複雑で、食事だけの問題ではないと感じるようになっていました。
そんなとき、「不安が病気をつくる」という言葉を耳にしました。
その言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
自分がどんな気持ちで食事をしているのか、振り返るきっかけになったのです。
食事に不安を抱きながら食べていること自体が、私の身体にとって良い状態とは言えないのではないか。そう気づきました。
そして、思い出しました。
本来の私は、食べることが大好きで、大切な人と一緒に楽しく食べる時間を、何より大切にしていたのだということを。
何を食べるかも大事だけれど、誰と食べるかも、同じくらい大事なのではないか。
そう思えるようになってから、私は人と食事をするとき、細かいことを気にしないと決めました。
外食のときは、みんなと同じものを食べる。差し入れでいただいたものも、ありがたくおいしくいただく。
不思議なもので、そう決めてしまうと、あんなに怖かった外食が、また楽しみな時間に戻っていきました。
もちろん、毎日そうしていたわけではありません。
普段の食事で気をつけていたからこそ、人と食べるときは安心して楽しめたのだと思います。
外食するときは楽しむ。食べたら、しっかり出す。
とてもシンプルですが、この考え方が、私にはいちばん合っていたのだと思います。
それでも、甘いものを食べる日はある
こうして長い時間をかけて食べ方を見直してきた今でも、甘いものを食べる日はあります。
特に、疲れがたまっているときは食べたくなります。
育児に仕事に、フル稼働している自分へのご褒美。そんな日もあります。
以前の私なら、食べたあとに「また我慢できなかった」と後悔し、自分を責めていました。
けれど、今はどか食いをすることも、ほとんどなくなりました。
体調がよく、毎日のように続かなければ大丈夫。私の場合は、そう思えるようになったからです。
もちろん、食べるタイミングと量には、なるべく気をつけながら。
そして、食べたあとは「食べてしまった」と後悔するのではなく、「おいしかった」「食べたから、また頑張ろう」と考えます。
食べたことへの罪悪感よりも、心を満たしてくれたことのほうに目を向けるようにしています。
甘いものを食べる日があっても、それまで続けてきたことが、すべて無駄になるわけではありません。
また次の日から、いつもの食事に戻せばいい。
今は、そんなふうに甘いものと付き合えるようになりました。
まとめ|我慢するより、大切だったこと
甘いものをやめようとしていた頃の私は、「食べないこと」が目的になっていました。
けれど、本当に大切だったのは、やめることではなく、自分の心を大切にしてあげることだったのだと思います。
ストレスにならないよう、無理なく続けられる形を探すこと。それが、私にとっての「心を大切にする」ということでした。
食べる時間を決める。空腹のまま食べない。普段は控えて、人と食べるときは楽しむ。
どれも、我慢とは少し違います。自分が苦しくならないように、少しずつ調整してきただけでした。
「食べてはいけない」と思っていた頃より、「食べてもいい」と思えるようになってからのほうが、甘いものへの執着は減っていきました。
そして何より変わったのは、食事の時間が、また楽しいものに戻ったことです。
食事を楽しめるようになったことは、私にとって、人生の豊かさを取り戻したと言っても大げさではありません。
ストレスに感じていた時間が、今ではリフレッシュの時間になるなんて、あの頃の自分には想像もつきませんでした。
身体のために頑張っていても、心がすり減ってしまっては続きません。
心が健康でいられることが、いちばん心地よい。
これからも、甘いものと上手に付き合いながら、おいしく楽しんでいけたらと思っています。
今も、私は甘いものが好きです。
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